『鬼谷子 -聖なる謀 -』は、春秋戦国時代を舞台にした華流「本格的」時代劇です。
「鬼谷子」とは、春秋戦国時代に鬼谷(このドラマの主人公である王禅のこと)によって書かれた戦術書。
「子」とは「先生」という意味。
「孫子の兵法」の”孫子”も同じ意味です。
- 全52話
- 主人公の天才策略家を実力派俳優ドアン・イーホン( 段奕宏 )が熱演
- 史実を元にして、実在した人物を描いている
- 知略と弁舌で激動の戦国時代を生き抜いた「傑物」を描いた物語
本作の主人公は、
- 策略家
- 教育者
- 経済学者
- 儒学
- 道教
- 墨家
- 兵法
- 陰陽道
- 算術(現代の占い統計学)
など全て兼ね備えた「魏の賢者」である王禅 です。
基本的なストーリーは「王禅の復讐劇」。
ヒロイン・今淑 や、幼馴染の姮娥 との恋愛要素も少しだけ含まれています。
恋愛というか、健気で献身的な愛情といった演出が、視聴者をこのドラマに惹きつけさせます。
華流ドラマでは珍しいパターンです。
『鬼谷子-聖なる謀-』の感想ですが、
日本の『JIN-仁-』『水戸黄門』『半沢直樹』を彷彿とさせる勧善懲悪の時代劇
でした。
主演のドアン・イーホンが大沢たかおに似ています。
観ている間、ずっと『JIN』のテーマソングが頭から離れませんでしたwww
あと、王禅の活躍は、必ず最後に悪を倒す水戸黄門的な活躍を連想させるのです。
そういった点も、日本人にも共感しやすい、観やすいドラマだと思います。
以下、ネタバレあり。
感想(ネタバレあり)
健気なヒロインが魅力的
華流ドラマでは珍しい健気なヒロイン・今淑が魅力的に演出されています。
戦国物なので殺伐としがちな中、ヒロインの行動や心の機微が物語に深みを与えています。
ヒロインを演じるのはチー・ウェイ(戚薇)。
彼女は、ジョン・ウー監督の映画『追捕 MANHUNT』で福山雅治とも共演していましたね。
イメージとしては、「中国の篠原涼子」といった美人女優です。
弁が立つ主人公の「賢者の戦い方」が面白い
主人公の王禅は中国史上でも類稀な「天才賢者」。
様々な知識を駆使して弁舌するシーンが痛快です。
刀や槍を振り回すだけが主人公ではない、と感じさせる「リアルな賢者の戦い方」が楽しめます。
「弁が立つ」主人公の設定なので、王禅の台詞が長いシーンが多いです。
言葉の勢いだけで字幕を追ってドラマを観進めると、少し疲れてしまうかもしれません。
そのあとには痛快な「オチ」があるので、最後は「スカッ」とすること間違いなしなのですが・・・。
脇を固めるベテラン俳優の重厚感
敵役の楚王を演じるニー・ダーホンは、三国志物で有名な超ベテラン俳優です。
あと、戦争物や反日物(中国では今でも多数制作されている)にも出ています。
渋い俳優なのですが、どの作品でも「絶対的な悪役」の雰囲気があります。
それだけ「上手い俳優」なのですが、分かっていてもニー・ダーホンのファンにはなれない華流ドラマウォッチャーなのでした。
大好きなエピソードについて
名シーンは多いのですが、あえて挙げるとすれば、王禅を愛していた今淑が火あぶりにされるシーンかな。
物語の中で、彼女は感情の起伏が激しすぎると思いましたが、それも個性だし、本心であり悪気は無いと思ったのです。
個人的には、やはり最期くらいは王禅が見守ってあげてほしかった。
そんな感情が入り乱れてしまいました。
ただ、最終話で王禅が生前の今淑の面影に対して左手で頬を撫でるシーンがあります。
私はそこで涙の関が切れました。
号泣です。とても素敵なシーンです。
王道の華流歴史ドラマ
私感ですが、このドラマは「王道の華流歴史ドラマ」です。
「イケメン俳優を起用した恋愛ドラマ」ではなく「重厚な時代背景と史実を元にした大河ドラマ」です。
演出や構成で目新しいものはありません。
一昔前の王道を行く華流ドラマです。
これは決して悪いことでありません。
「キュンキュンな演出無し」「イケメン俳優のキャスティング皆無」でも、「華流ドラマは面白い」と再認識させてくれる傑作です。
まとめ
この時代にこれだけの戦術を考え出して戦っているのがすごいですね。
現代でも仕事や日常生活でそのまま使える戦術です。
これらの戦術を知っているだけで、強いメンタルを保てますよ。
どんな戦術なのかは、ドラマを観てくださいね。
このドラマの感想を書く