天津を舞台にした「水」がキーワードのミステリーエンターテインメントドラマ。
術師と法医学者という異色の組み合わせの二人が、ホラーあり、ミステリーありの難事件を解決してゆく「バディもの」です。
- 全24話
- 全世界で再生回数20億回越えを記録
- 人気俳優の李現(リー・シエン) と張銘恩(チャン・ミンエン)がW主演
- 話数が進むごとに少しずつ謎が解けてゆくのを楽しませるミステリー作品
『河神』の感想ですが、
話数が短く、伏線が回収されずに終わったので、打ち切られたのかな
と思っていました。
しかし、どうやら続編ありきだったようです。
最終話で全ての謎や伏線が回収されませんでした。
そのため、視聴者からは
「すぐに続編が始まる」
「初めからパート2ありきの作品」
などとネットで話題を集めていました。
実際にはキャストの諸事情から、続編の「河神2」が公開されたのは3年後でした。
パート2の放送中から「パート3の制作の噂が絶えない」人気ドラマです。
【なぜ全ての謎や伏線が回収されなかったの?】
それが今の中国ドラマだから。
中国のドラマは、「ミステリー」「サスペンス」「コメディ」「ホラー」「SF」「恋愛」「アクション」とオールジャンルが常に制作され、新作が次々とネットで公開されます。
日本のドラマとの大きな違いは、放送されるメディアが「テレビ」ではなく「ネット」であること。
見逃しても、24時間いつでもどこでもネットで視聴できます。
ドラマの収益は、視聴者からの「課金」。
そのため、「次の話数が楽しみ」になるシナリオ構成にしないと再生数が伸びません。
必然的に、意味深な伏線や謎を視聴者に提示して、最終話まで明かさないというパターンが多くなります。
本作は、オープニング映像から「意味深なキーワード」を視聴者に提示し、最終話まで一気に観させるドラマ構成になっています。
「今どきの中国ドラマだな」と感じさせる秀作です。
以下、ネタバレあり。
『河神』の感想(ネタバレあり)
クエンティン・タランティーノ作品を意識している
『河神』は、アニメと実写を融合しています。
タランティーノ作品を意識した演出をしていますね。
観ている人に不思議な世界観を訴求する演出も酷似しています。
『河神』の10話以降(中盤)で、タランティーノ作品『From Dusk Till Dawn』を映画館で観たときと同じような衝撃があります!
『From Dusk Till Dawn』は、序盤は「ロードムービー」としてスタイリッシュに始まります。
しかし、中盤以降、突然「ゾンビ映画」に変貌するのです!
私は映画館で何の事前知識もなく観たのですが、あまりの面白さに座席でぶっ飛びました。
この興奮に近いシナリオが『河神』でも待っています。
ただ、突飛すぎて好き嫌いが分れると思いますが・・・。
中国人はキョンシー好き
『河神』は、中盤から「ゾンビ」や「キョンシー」ものに変わります。
序盤はミステリーとして視聴者を引き付けておいて、突然「魔古道」を操る悪者たちとのバトルが始まります。
昔から、中国人のキョンシー映画に対する執着心には凄いものがあります。
本作は、「死」という概念を「欧米的な感覚」で捉えていると感じます。
日本的な幽霊とは違い、「死者」や「怨念」「呪い」を具現化することでストーリーを展開してゆきます。
『河神2』は違和感だらけ
まず、本作の突然の最終話から、少し時間を空けて『河神2』を観始めてください。
なぜなら、主演が別の人に代わっているから。
主人公の郭得友を演じるのが、李現から金世佳(ジン・シージャー)に代わるんです。
『河神1』の後、すぐに『河神2』を観ると、違和感だけが募ります。
主演が代わった理由に関しても、中国のネット上で憶測が飛び交いました。
李現の事務所が高額なギャラの要求をした
李現が死んだ
などなど・・・。
実際には、李現の「腰の病気」が原因だったようです。
中国のドラマは、話数が長いだけに一定期間、長時間拘束されます。
そのため、撮影に耐える健康な体が必要不可欠なのです。
制作側も、これ以上続編を作らない訳にもいかず「仕方なし」な決断だったようです。
あと、法医学者の丁卯役の張銘恩が、『河神2』で一気に老け込みます。
ベビーフェイスで甘い印象だっただけに、急激な老いを隠せていないのです。
まとめ
『河神』の監督は田里(ティエン・リー)です。
彼も李現と同様に、「北京電影学院」を卒業している、将来を有望視されるエリート監督です。
本ドラマで一気にスター監督になりました。
今後、彼の作品は要注目です。
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