たまには「サクッと」「ライトに」観られる華流ドラマはないかと、ネットを物色していたときに出会った傑作ラブコメ。
原題は『你成功引起我的注意了』。
このタイトル、
直訳:「あなた(主人公)は私(ヒロイン)の注意を引くことに成功した」
邦題:「(ヒロインの私は)あなた(主人公)のお気に入りになります」
原題だと「女性>男性」という女性優位のイメージがあります。
しかし、実際の邦題を見てガッカリしました。
邦題では「男性>女性」なドラマというイメージになっています。
この点は、中国と日本のお国柄の違いだと思いました。
根底に男尊女卑の思想が根付いている日本と、あくまで男女平等だと教育している中国の考え方の違いです。
まあ、ドラマの脚本的にはどちらでも間違いではありません。
とにかく「少女漫画を読むように楽しめる華流ドラマ」といった感じです。
- 全16話、1話40分程度なので日本人には観やすく構成されている
- ヒロインは人気女優の蒋夢婕(ジャン・モンジェ)
- 主人公は中国のオーディション番組出身の劉特(リウ・ター)
- 日本文化を意識した構成と演出
- 現在の「深刻な中国事情」もエッセンスとして取り入れながら、「ライトでポップなラブコメ」に仕上げている
それでは以下、『あなたのお気に入りになります』の感想です。
ネタバレあり。
\ 『あなたのお気に入りになります』はDMM TVで見れる /
感想(ネタバレあり)
秘密の共有から仲良くなるふたり
ズバリ、本作の楽しみのひとつは「変化」だと思いました。
ダサいバツイチ秘書の格好をしたヒロインが、髪をおろせば幼顔の超美人に大変身!
ドSで完璧超人だと思っていた主人公が、「暗闇が怖い」と子供みたいな表情を見せる!
そんな「ふたりだけが知っている秘密の共有」が、本心を曝け出せる大切な関係になっていきます。
じれったいふたりのドラマから、私は目が離せなくなりました。
「壁ドン」シーン連発&『スラムダンク』オマージュ
どんだけ日本文化を意識してんだよw
と突っ込んでしまうシーンが多数登場します。
日本のドラマでは一般化した?「壁ドン」シーン好きのウォッチャーは、目が離せないと思います。
バスケットボールのシーンでは、湘北高校のユニホームを着用しています。
(湘北高校とは『スラムダンク』の主人公・桜木花道が所属する高校)
これは『スラムダンク』のアニメが中国で大ヒットしたからです。
現在の20代の若い中国人は、ほぼ100%の確率でスラムダンクを知っています。
そして、当時のアニメの主題歌も唄えます。
本作の制作陣が想定する視聴者層が、中国の「若年層」だという事が分かる演出でした。
脇役にも注目!
基本的なストーリーは「姉と弟のような二人のラブコメディ」なのですが、実際観てみると少し違うように感じました。
主演のふたりの他に、重要な役どころで三組の男女が登場します。
合計八人の恋愛模様が、話数が進むごとに展開するのです!
80年代に日本で大ヒットしたドラマ「男女七人夏物語」的なストーリー構成です。
男女八人の恋の駆け引きに焦らされながら、子持ちバツイチというアラサー女子のリアルな恋愛模様が絡み合う「新しい華流ラブコメ」です。
また、ヒロインの親友で女性弁護士を演じる米露(ミー・ルー)の魅力が爆発しています。
彼女は北川景子似の美人です。
バリバリのキャリアウーマン役なのですが、この役は恋愛に関しては奥手というか、下手くそなのです。
ミー・ルーは数々の華流恋愛ドラマで主演を演じてきたベテラン女優です。
そんな彼女の「恋愛下手」な演出も本作の見どころだと思います。
極端な話、彼女がヒロインで、スピンオフドラマが作れるのではないかと感じました。
世相を反映している
「よく観ると世相を反映した社会派ドラマ」なのではないかと思いました。
近年の中国では、「離婚」が問題視されています。
思考自体が欧米化している若年層は、簡単に離婚する傾向にあります。
日本よりも婚姻に対してライトな感覚ですね。
そこから発生する、
- 親権問題
- 結婚の高年齢化
- 年の差婚
など、日本以上に深刻化している中国の社会問題を、上手に設定に取り入れています。
「共感を生み出す」ドラマだと感じました。
まとめ
あなたもぜひ、このドラマを観て下さい。
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